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TPPへの取り組み

 JA全国農協中央会は、昨年10月菅総理が表明したTPP参加表明を受けて、これは日本農業を崩壊させるものとして、この参加表明に対して正面から反対意志を示し、国民に対して、この意志を示す一環としてTPP参加反対1千万人署名を行いました。この内、広島県への署名目標数は25万人、当組合もこれら行動に賛同し署名活動に加わり、1,994名の署名を取りまとめ提出しました。

 政府は去る3月11日の東日本大震災の甚大な被害から、この問題解決を最重要課題とし最優先に取り組む状況に至り、TPP参加判断の6月予定を撤回し、今後、総合的に判断するとして、対応が先送りされた状況にありますが、輸出業界を中心しTPP参加を求める声が強く、この取り扱い動向に関して引き続き強い関心をもって注視することが重要と考えます。

 こうしたことから当組合は、第17回通常総会終了後(平成23年6月24日)特別決議を採択し、組合員の認識とともに行動一致を呼びかけ行動しております。

東日本大震災からの復旧・復興と農業復権に関する特別議決

 東日本大震災は、特にわが国の食料基地として農業が地域の経済・社会を支えている地域に甚大な被害を及ぼしており、いのちと暮らしの救済はもとより、震災からの復旧・復興が、わが国そしてJAグループの最大の優先課題である。

  また、被災地のみならず、大都市でも発生した一時的な食料供給不足や、原発事故等により、地域・国内生産を基本とした持続可能な農業の重要性や、食の安全・安心の重要性が再認識され、震災後の環境変化により、地域内外での助けあいや、「絆」などの価値観が高まっている。

  我々は、こうした環境変化や価値観の転換を契機として、市場原理のもとで、効率化や競争力強化のみをもとめるのではなく、「共助」、「共生」により、国民が安心して暮らせる社会・地域を協同で支えあう共助社会を目指すべきである。

  こうしたなか、政府は5月17日に「政策推進指針」を閣議決定し、「TPP交渉参加の判断時期については、総合的に検討する」との、単に時期を延ばすだけの方針を明らかにした。しかし、例外なき関税撤廃を原則とするTPPについては、わが国農業の振興との両立は到底不可能であるのみならず、震災による甚大な被害や環境変化にも全く対応したものではなく、TPP参加の検討自体を直ちに中止するべきである。

  我々JAグループは、大震災からの復旧・復興に全力を尽くすとともに、地域の実情に応じた日本型の持続可能な農業の確立を目指し、農業の復権と国民に対する安全・安心な食料供給に引き続き責任を果たしていく。また、地域経済・社会に欠かせないライフラインとしてのJAの役割を担い続け、地域社会と共に歩んでいくことに、組織の総力を挙げて取り組んでいく決意である。

以上、決議する。

平成23年6月24日
第17回広島県酪農業協同組合通常総会

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